第3度房室ブロック
- 3度(完全房室ブロック)では、心房からの伝導が全く途絶えてしまいます。
- 洞結節の興奮は心房で留まり心室側に届かないため、心室は、心室内のペースメーカー細胞によって独自に仕事の号令を発します。ただ、洞結節は正常な号令回数(50/min以上)を発することができるのですが、一方の心室側は、正常の号令回数を発することが出来ないため徐脈となってしまいます。
- 血圧は徐脈の程度によって低下することがあります。
- 心拍数が40/min以下となると1分間に心臓が送り出す血液量(心拍出量)が著しく低下し、アダムス・ストークス発作を起こすことがあります。
- 直ちに、医師に連絡を取りペースメーカーの適応について判断します。
高度な房室伝導障害により、心房からの興奮が心室に全く伝導されない状態である。心室は房室接合部以下の刺激中枢の自動能により、独自に興奮する。しかし、興奮の中枢が下位に移るに従って興奮発生能力が低下するため、その結果徐脈となる。
心房と心室の収縮時期が連動していないため、心室への血液供給が不均一となり、かつ徐脈の結果、心拍出量や血圧が低下することが多い。
急性心筋梗塞で、完全房室ブロックが起こると心停止の危険が高く、また徐脈性心不全、低心拍出量状態となりAdams-Stokes発作を起こす。このため、ペースメーカーの装着が必要となる。
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