ハート先生の心電図教室

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アーチファクト

アーチファクトとは、「人工産物」という意味で、ノイズともいい、心電図に混入する心電図以外の現象を総称したものである。

これには、筋電図や、皮膚と電極綿の接触抵抗の変化によって生まれる基線の動揺などがある。アーチファクトが混入すると、心電図波形が見難くなるだけでなく、誤った判断を下すこともあり注意が必要である。

右肩の電極が肩や腕についている場合(図の左側)には、アーチファクトが発生しやすい。このような場合には、図の右側のように、右肩の電極の位置を胸骨の上(胸骨角付近)に移すことで、アーチファクトの発生を抑えることが出来る。この程度の電極位置の変化では、誘導波形に大きな変化は与えない。

この図では、歯磨き中の心電図が、一見、心室頻拍(VT)のように見える。

ダブルカウント

本来の心電図波形であるにもかかわらず、例えば、R波とT波が同じ程度の高さであったり、あるいはペースメーカーを使用していてペーシングスパイク波形が大きな波高を示す場合に、モニター装置の心拍数のカウントが、2倍の数を示す場合がある。この現象をダブルカウントという。これを解決するには、一度12誘導心電図を記録し、T波やペーシングスパイク波形などが、大きく記録されていない誘導波形を確認し、その誘導にモニター誘導を変える。


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