左脚ブロック
左脚の障害により、左室に向う興奮が伝導されない状態です。そのため、右室からの興奮が遅れて左室に伝わることになります。このとき、右室側から左室側に向けて遅れて興奮が伝わることで、その様子を胸部誘導の右側(V1, V2)で眺めると遠ざかる興奮を見ることになります。遠ざかるは下向き波形になることから深くて幅の広いS波が描かれるます。一方、V5やV6側で見ると、しばらく長く近づく興奮を見続けることになることから、幅の広いR波が記録されます。
基礎疾患に心筋梗塞を有する場合、左脚ブロックの出現は広範囲の心筋障害を示すことが多い。
心電図
左脚ブロックの心電図の特徴は、V1誘導でQRS波形が幅が広く下向きを示すことです。
右脚ブロックと左脚ブロックの識別法:V1でQRS幅が広く、うえむきはうきゃく、したむきはさきゃく、(さしすせそ)と覚えます。
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