TUP現象
波が緩やかな形として描かれ、続いてU波が現れ、その後、T波・U波と同じ程度の大きさでP波が描かれた場合に、あたかも全てがP波のように見え、心房粗動や心房頻拍と、誤って判断されることがあり、この様子をTUP現象といいます。特に、第Ⅱ誘導波形で見られることがあり注意が必要です。頻拍を疑う場合においては、できれば念のために12誘導を記録しておくことが必要になります。
※U波とは、心外膜から中間膜にかけて存在するM細胞という、特殊な電気生理的活性を有する細胞群から生じる後脱分極波(心筋細胞が電気的エネルギーを放出した後に起こる波)であるとする考え方が有力視されています
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