前熟考期の心理的アプローチ

Heart

これは受診の意識がまだ芽生えていない段階の、特に高齢者の人たちに、物語と絵の共感力で関心を引き出し、行動変容をやさしく後押しする心理的支援ツールです。

本絵本は、4つの物語で構成されており、それらの物語性と視覚的な訴求力を活かし、患者のヘルスリテラシー(健康情報の理解力と活用能力)を高めることを目的としています。とくに、受診の必要性をまだ自覚していない、いわゆる「前熟考期〜熟考期」にある対象者に対して有効とされる心理的アプローチを意識して構成されています。

ストーリーに共感を呼ぶ場面や、視覚的に安心感を与える絵の力を通じて、受診行動に対する抵抗感(心理的バリア)を軽減し、「病院に行こう」という自然な行動変容を促します。これは、行動変容ステージモデルの理論に基づくものであり、情報提供型の啓発よりも、患者自身の内的動機づけを重視したアプローチです。

○第一話 二人で超えた、命の峠
果樹園を営む夫婦。倒れた夫を支え、心臓リハビリで回復を目指す。寄り添う想いと医療の力が命を救う話。

○第二話 小さな気づきが未来をひらいた
孫のひとことが、祖父の心臓病の早期発見へ。家族の気づきが、命をつなぎ未来を照らすきっかけとなる。

○第三話 脈打つ命のレストラン
胸の異変を見抜いたのは、寡黙な新人厨房スタッフ。実は看護師の資格を持っていた。その彼が、過去を乗り越えた、まなざしが命を守った。

○第四話 命を照らす 音の花束
心不全の母に唱歌の絵本を届けた娘。歌が記憶を呼び覚まし、涙と笑顔が病室に広がる奇跡の瞬間。

タイトルとURLをコピーしました